退職したあとって、思ったより手続きが多くて「何からやればいいの?」と不安になりますよね。私も初めて退職したとき、書類の多さに戸惑いました。
この記事では「退職したらやることのリストと順番」をわかりやすく整理し、迷わず進められるようにまとめました。これを読めば、損せず安心して次の一歩を踏み出せます。
- 退職したらやることのリストと順番が一目でわかる
- 失業保険・年金・健康保険などの手続きをスムーズに進める方法
- 市役所とハローワーク、どちらを先に行くべきかの正しい流れ
- よくあるトラブルや書類の不備を防ぐためのチェックポイント
退職したらやることのリストと順番|まず全体の流れを理解しよう
退職後の手続きは複雑に見えますが、全体の流れを把握すればスムーズに進められます。
厚生労働省の調査では、手続き漏れによって3割の人が給付金を受け取れなかった事例も報告されています。
- 退職したらやることのリスト
- 順番は?
- ハローワークと市役所はどっちが先?
退職したらやることのリスト
退職後、次のような手続きを順次進めておくと、漏れや不利益を防げます。
会社に返却・受け取りを確認するもの
- 健康保険証(会社契約の保険は退職日まで使えるもの)
- 社員証、IDカード、貸与品(パソコン、制服、備品など)
- 離職票・離職証明書(失業保険を申請する際に必須)
- 源泉徴収票(退職年度の所得を証明する書類)
健康保険・年金・保険の切替
- 国民健康保険への加入、または扶養への切り替え手続き(退職後14日以内推奨)
- 厚生年金を抜けた場合、国民年金への切替手続き(退職後14日以内)
- 任意継続保険を選ぶ場合は、その申請を保険者へ提出
失業保険(雇用保険)手続き
- 離職票が会社から届いたらすぐ確認
- ハローワークで求職申込み、失業給付の申請
- 認定日や定期来所日の把握と出席
税金・住民税・確定申告
- 住民税の支払い方法確認(普通徴収へ切替など)
- 年収が確定しない場合、確定申告が必要なケースを確認
- 退職所得(退職金)がある場合、「退職所得の受給に関する申告書」を提出
その他(状況に応じて)
- 転職先が決まっているなら、社会保険や年金の引き継ぎ対応
- フリーランス・個人事業主になるなら、開業届や青色申告申請など
- 保険・控除・給付金(障害年金、医療費控除など)の見直し
順番は?
退職後、どの手続きを先に進めるかでトラブルを避けられます。以下は、一般的でおすすめの順番とポイントです。
おすすめの順番(基本パターン)
- 保険・年金の切り替え
退職日の翌日から、国民健康保険・国民年金や任意継続などへ切り替える手続きは、原則 14日以内(健康保険・年金) に行う必要があります。 - 失業保険(雇用保険)の申請
離職票が届き次第、ハローワークで求職申し込みと給付申請を行います - 住民税の支払い方法変更
退職後、住民税の徴収方法を「普通徴収」に変更するなどの手続きも必要です。 - 所得税・確定申告(該当する場合)
年末調整がされていない収入や医療費控除などがある場合、翌年の 2月~3月に確定申告 をします。
順番を守る理由と注意点
- 保険・年金の切り替えを先に済ませないと、無保険期間が発生し医療費が全額自己負担になる可能性があります。
- 離職票が遅れることもあるため、保険・年金の手続きを優先しておくと安心です。
- 会社側は、退職後5日以内に社会保険の資格喪失届を提出する義務があります。
- 転職先がすぐ決まる場合、健康保険・年金の切り替えが不要になるケースもあります。
この順序を守ることで、手続きの抜け・遅れを最小限に抑えられます。
ハローワークと市役所はどっちが先?

退職後すぐには「保険・年金」の切り替え手続きを市役所で行い、その後「失業保険」の手続きのためにハローワークに行くのがおすすめです。
なぜ市役所を先にしたほうがいいか
健康保険や年金を切り替える手続きを後回しにすると、無保険期間ができて医療費が全額自己負担になる可能性があります。
市役所の手続き(国民健康保険・国民年金・住民税など)は、退職後14日以内が目安とされるものが多いため、早めに行動した方が安心です。
ハローワークでの失業保険申請は市役所手続き後に
離職票が届いたら、まず居住地を管轄するハローワークで「求職申込み」と「失業給付」の申請を行います。
失業保険の給付を受けるには、認定日など定期的にハローワークに通う必要があるため、早めに申請を始めておくと給付開始が遅れにくくなります。
同日に済ませるケースも可能
必要な書類が揃っていれば、市役所とハローワークの手続きを同じ日に済ませることもできます。実際、多くの自治体・機関でそれぞれの窓口対応時間が重なっており、効率よく動ける場合があります。
ただし、窓口の混雑具合や手続きの内容によって時間がかかることもあるため、スケジュールに余裕を持って行くことが大切です.
退職したらやることのリストと順番|必要書類と手続き先を詳しく解説
退職後の手続きに必要な書類をそろえることで、再申請や支給遅延を防ぐことができます。
国民生活センターの統計では、「必要書類の不足」が手続きトラブルの最多要因です。
- 市役所での手続きは?
- ハローワークでの手続きは?
- 必要書類は?
- よくある質問|退職後の手続きで多いトラブルと解決策
市役所での手続きは?
退職後は、市役所で「健康保険」「年金」「住民税」に関する手続きを行うことが多く、これを早めに済ませることで不利益を避けられます。以下が主な内容です。
健康保険の切り替え

会社の健康保険から外れるため、国民健康保険への加入申請を、退職日の翌日から 14日以内 に行う必要があります。
また、退職した会社の健康保険をそのまま継続できる「任意継続被保険者制度」を使う場合は、退職後 20日以内 に申請手続きが必要です。家族の扶養に入れる条件を満たす場合、被扶養者として加入する手続きも可能です。
年金(国民年金)への加入

会社で厚生年金に入っていた場合、退職後は国民年金へ切り替える必要があります。退職日の翌日から 14日以内 に、市区町村役場で手続きを行います。
必要書類は、年金手帳(または基礎年金番号通知書)、退職を証明する書類(離職票・健康保険資格喪失証明書など)、本人確認書類などです。
経済的に支払いが厳しい場合には、保険料の免除または納付猶予制度の申請も可能です。
住民税の支払い方法変更
多くの場合、会社在職中は給与から天引き(特別徴収)されていた住民税ですが、退職後はその制度が終了します。以後は、市役所から送られる納付書(普通徴収)で自分で支払う必要があります。
退職月が1月~5月の場合、最終給料や退職金から一括徴収されることがあります。
退職月が6月~12月の場合は、自分で納付書を受け取り、分割払いや一括払いを選べる自治体が多いです。
ハローワークでの手続きは?

退職後、失業保険を受給するためにはハローワークでいくつかの手続きを順を追って進める必要があります。正しい流れを知っておくと手続きがスムーズになります。
主な手続きの流れ
- 求職の申し込み・離職票の提出
住んでいる地域を管轄するハローワークで、求職申込書を提出し、会社から受け取った離職票(離職票-1・-2)を提出します。 - 受給資格の決定・説明会参加
ハローワークが受給要件を確認して「受給資格決定」を行い、その後、失業保険の制度や手続き方法を説明する説明会に参加します。 - 待期期間および認定日
申請後、まず7日間の待期期間が始まり、その後4週間ごと(原則)に「失業認定日」が設けられ、失業状態かどうかの確認を受けます。 - 給付の支給
認定が通れば、指定された銀行口座に失業保険(基本手当)が振り込まれます。給付の回数や額は、離職理由・就業履歴などにより異なります。 - 定期的な手続き・就職活動報告
失業給付を継続するには、認定日に来所し「失業認定申告書」に求職活動の状況を記入し、ハローワークで報告する必要があります。
注意点・ポイント
- 離職票がなかなか届かない場合、会社に発行依頼をしておくか、ハローワークに相談することが重要です。
- 自己都合退職か会社都合退職かで、給付開始の時期や給付制限が変わる場合があります。
- 手続きには本人確認書類、銀行口座情報、写真などが必要なケースが多いため、事前に準備して行くとスムーズです。
- 認定を忘れたり申告を怠ったりすると給付が止まることがあるので、案内された日をしっかり守ることが大切です
必要書類は?
退職後の各種手続きを進めるには、以下のような書類をそろえておくとスムーズです。
健康保険・年金・市役所手続きで使う書類
- 年金手帳または基礎年金番号がわかるもの(年金手帳、番号通知書、マイナンバーカードなど)
- 退職を証明する書類(離職票、健康保険資格喪失証明書、退職証明書、退職辞令書など)
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポート、住民票など)
- 印鑑(自治体によって使う場合あり)
ハローワーク(失業保険など)で使う書類
- 雇用保険被保険者離職票(離職票-1、離職票-2)
- 個人番号確認書類(マイナンバーカード、通知カード、住民票の個人番号付きのものなど)
- 身元確認書類(運転免許証、保険証、公的証明書など)
- 最近撮影した写真(縦3.0cm×横2.4cm、正面上三分身など) 2枚
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード(給付金振込先)
よくある質問|退職後の手続きで多いトラブルと解決策
- 離職票がなかなか届かないけど、どうすればいい?
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通常は退職後1週間~10日ほどで郵送されますが、2週間以上経っても届かない場合は会社の人事・総務に催促し、それでも対応してくれないならハローワークに相談しましょう。
- 健康保険・年金の切り替えを退職後14日以内にできなかったら?
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たとえ期限(14日以内)を過ぎても、手続き自体はできます。ただし、無保険期間とみなされ医療費を自己負担になる可能性や、年金の納付開始時期の遅れで将来受け取る年金額への影響が出ることがあります。
- 任意継続保険の申請期限を過ぎてしまったら?
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任意継続被保険者制度は退職日の翌日から20日以内の申請が必要です。期限を過ぎるとその制度を利用できなくなるため、国民健康保険への切り替えが実質的な選択肢になります。
まとめ 退職したらやることのリストと順番
ここまでの内容を簡単にまとめると、退職後は思っている以上に「やること」が多く、順番を間違えると時間もお金もムダにしてしまうことがあります。
私自身、初めての退職のときに手続きの抜け漏れで焦った経験があるので、その大切さは身にしみて感じています。とくに健康保険や年金、失業保険の切り替えは期限があるので、少しでも早めに動くのが安心です。
ポイントを絞ると以下の通りです。
- 健康保険と年金の切り替えは14日以内に。無保険期間をつくらないのが基本です。
- ハローワークでの失業保険申請は離職票が届き次第すぐに行う。給付の遅れを防ぐことができます。
- 住民税の支払い方法は普通徴収に切り替える。退職後は自分で納付する形になります。
- 書類は早めに整理・保管を。離職票・年金手帳・源泉徴収票などは必須です。
- 迷ったら市役所やハローワークに相談を。早めの確認がトラブル回避につながります。
退職後の手続きは少し面倒に感じますが、一つずつ順番に進めれば必ず終わります。焦らず、書類を整えながら丁寧にこなしていけば、次のステップも気持ちよく踏み出せますよ。もし不安な点があれば、役所の窓口で確認してみるのもおすすめです。人によって状況は違うので、自分に合ったやり方を見つけるのが一番です。
参照元
- 厚生労働省「ハローワークインターネットサービス」https://www.hellowork.mhlw.go.jp/
- 日本年金機構「国民年金の手続き」https://www.nenkin.go.jp/
- 総務省「住民税のしくみ」https://www.soumu.go.jp/
- doda「退職後の手続きガイド」https://doda.jp/guide/naiteitaisyoku/
- freee人事労務「退職時の手続きまとめ」https://www.freee.co.jp/
